JDIが上海の自動車展に出展、車載ディスプレーの未来像を示す。ディスプレー展から自動車展へ、産業の川下へ打って出る


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北原 洋明=テック・アンド・ビズ

ジャパンディスプレイ(JDI)は、中国の上海虹橋地区の国家会展中心で2018年10月15日から17日まで開催されている自動車関連製品の展示会「中国国際自動車商品交易会(CIAPE:China International Auto Products Expo)」(展示会の公式サイト)に出展し、未来の車載ディスプレーのコンセプト展示をしている(図1)。CIAPEは、中国政府の商務部が主催する自動車関連製品の総合展である。自動車メーカーの展示の他に、電子情報化に関する展示や新エネルギー車に関する展示、自動車用部品に関する展示などを見ることができる。

図1 CIAPEに出展したJDIのブース
コックピットおよび車載ディスプレーを展示している。なお、周囲にはデクセリアルズや日東電工といった日系企業も出展している。(出所:テック・アンド・ビズ)
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JDIがこのような自動車関連製品の展示会に出展するのは初めて。これまで同社はパネルメーカーとして、ディスプレー関連の展示会に出展してきた。同社は今年「産業の川下へ積極的に出て行く」という方針を打ち出したが、今回の自動車展への出展は、この方針を実行に移したものといえる。また、車載ディスプレーでシェアトップを維持するために、自動車関連製品の市場が拡大し、電気自動車の開発・普及も進む中国市場を積極的に攻めようという意欲が見て取れる。

JDIがCIAPEで展示している“未来の車載ディスプレー”は、運転席回りのコックピットのコンセプトである。メータークラスター向け横長曲面ディスプレー、CID(Center Information Display)向けインセルタッチセンサー機能付ディスプレー、電子リアミラー用ディスプレーを備える(図2)。いずれも、車載ディスプレーに対して市場から求められている様々な要望に対応するため、JDIのコア技術である低温多結晶Si(LTPS)を採用したものである。同社はこの他、足下のビジネスに直結するCID用のディスプレーも展示している(図3)。

これらの展示内容は、これまでディスプレー関連の展示会でアピールしてきた内容と同じだが、今回は対象とする市場の展示会に直接打って出たことに意義がある。

図2 未来の車載ディスプレーのコンセプト展示
正面は3枚のディスプレーを曲面でつないだクラスター用ディスプレー。右側はCID。左上はリアディスプレー。(出所:テック・アンド・ビズ)
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図3 量産中の車載ディスプレーの展示
左は12.3型クラスター用ディスプレー。右は10.2型のCID。(出所:テック・アンド・ビズ)
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時代の変化が見える上海虹橋展示会場の風景

CIAPEは、北京モーターショーのような大きな展示会ではなく、出展している自動車メーカーは、上汽集団(図4)や吉利汽車(図5)など上海周辺の企業が中心である。出展している自動車部品関連企業も上海周辺のメーカーが多い。中国のような広大な国では、地域ごとに固有の産業チェーンができており、展示会にも反映される。そのため、どの展示会に出展するかを選択することも重要である。

また、自動車の展示会は、JDIがこれまで関わってきたディスプレー展とは全く異なった雰囲気を持つ。ディスプレーパネルとは異なり、自動車は国全体の産業の動向に強く関わる。それだけに国の大きな方針の影響を強く受けることになる。

図4 CIAPEに出展している上汽集団の電気自動車
車内が広く、環境に優しいことなどをアピールしている。車載ディスプレーとして12.3型のCIDを搭載した自動車も展示している。(出所:テック・アンド・ビズ)
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図5 CIAPEに出展している吉利汽車
電気自動車の高速充電、長距離走行、車内の広さをアピールしている。(出所:テック・アンド・ビズ)
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